
転職時の年収はどうやって決まるのでしょうか?
厚生労働省のデータから、採用側が転職者の年収を決めるにあたり考慮した項目を見て、高い年収で採用してもらう方法を探ります。また、実際に転職で給料が上がった人がどれくらいいるのかも見てみましょう。
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転職者の年収はどうやって決まる?
能力を測るのは難しい
あなたは過去に転職をしたときに試験を受けましたか?ほとんどの方は試験を受けていないか、簡易なテストしか受けていないと思います。
企業が試験を実施しないということは、実力を測定して年収を決めるということはせずに、実績や年齢から判断している企業が大多数ということです。
採用者側にとって、年収を決めるのは非常に難しいと言わざるを得ません。それは第二新卒だけでなくどの年代の転職であっても共通です。試験でもしないかぎり本当の実力は測れませんし、いざ試験をしたところで、良い問題が継続的に出せるとも限りません。単調なテストなら応募者に簡単に攻略されてしまいます。
ではどうやって年収を決めるのか
採用側は応募者の実力が見抜ければそれが一番いいのですが、基本的には不可能です。面接や、資格、経歴などから能力を予想するしかありません。(ただ、ベンチャー企業などの場合は、応募者の実力が見抜けずに実力よりも高給で採用してしまうことがよくあるそうです)
以下は企業規模別の、転職者を採用する際に年収を決める上で考慮した項目のアンケート結果です。
(厚生労働省 平成27年転職者実態調査より)
経験・能力・知識
上の図から、「経験・能力・知識」を採用において考慮した企業は8割に達しています。
しかしこれは、「考慮した」だけであり、実際に転職者の能力や知識を評価するのは非常に難しいため、ほとんどの会社は「経験」を元にしている可能性が高いと言えます。(面接の際に能力をチェックするための試験や質疑応答をした場合は別です)
面接の際はなるべく、能力をアピールしようとするのではなく、経歴、経験をアピールすべきです。経験、経歴が浅い場合は具体的にどのような仕事をし、どういう成果を出したか、どう問題に対処したかをアピールしましょう。
能力をアピールしようとしても相手には伝わりません。また、あなたもそれを証明する方法がありません。あなたが能力があると思っている事で客観的に証明することができないことについては、下手にアピールするのはやめましょう。もし第二新卒の場合は、それほど経験がないため、面接官には伝わりずらいでしょう。
年齢
「経験・能力・知識」の次に重要視されている項目は「年齢」です。
年齢と実力は直接関係はありませんが、一般的には年齢と経験・実力は比例すると言えるので、「年齢」を年収の判断材料にするのでしょう。
これはある意味仕方のないことかもしれません。「本当の実力」というのはなかなか評価しずらいものなので、わかりやすい客観的な数値や、指標を使うようです。
採用側が年齢が重要だと考えているということは、第二新卒では良い給料をもらうのは難しいということになります。
ただ、ベンチャーなど年齢をあまり気にしない年功序列型賃金でない会社であれば、高い給与をもらうチャンスはあるでしょう。逆に大企業を目指している第二新卒の方は、転職時の給与はある程度に抑えられるということを認識しておきましょう。
学歴・前職の賃金・免許資格
大手企業では、「学歴・前職の賃金・免許資格」は同程度に評価されているようです。逆に小さい企業になればなるほど、学歴はあまり重要視されません。
学歴は今からはどうする事もできないので、とりあえず置いておくとして、「前職の賃金」や「免許資格」はこれからでも対策ができそうです。
まず、「前職の賃金」ですが、前職の賃金は少し多めに申告すべきです。ちょっと高く申告する分には特に問題はありません。相手の面接官も大体の年収を聞いているので、20万ほどは多めに言って問題ないでしょう。ただ、あまり実情とかけ離れた額を言うと、前の会社に確認の連絡がいったときに発覚するおそれもあるのでご注意を。(前の会社に勤務態度などを聞く企業が一定数存在します。大手企業よりも中小企業に多い)
つぎに「免許資格」ですが、免許資格が転職の際に年収を決める指標に挙げられているので、まだ会社を辞めていない場合は、資格取得を目指してみてもいいかもしれません。当然、転職しようとしている企業、業界で重要視されている資格でなければいけないため、事前に調べておきましょう。
また、資格は転職後の年収だけでなく、採用時の判断にも使われるため、取っておいて損はないでしょう。転職までの時間を見ながらうまく調整しましょう。
そもそも転職したら給料は下がるのか
転職者の賃金変動は以下のとおりです。(厚生労働省HPより)
http://www.mhlw.go.jp
転職時の給与の変化は、「増加」「変化なし」「減少」が同じ割合になっています。
若年層でキャリアがまだ浅いので、給料が下がるのが一般的なのかと思いきや、意外に上がる人も多いようです。「転職すると給料がさがる可能性が高い」という仮説はどうやら一般的には成り立たないようです。
ではそれなりに職業の経験を積んだ40-54歳ではどうでしょうか
グラフを見ると、高年齢になるほど増加の割合が減っているのが分かります。
日本では基本的にいまでも年功序列の賃金が多く、一つの会社で勤め上げた人の給料が不当に高くなり、他の企業にいったときに正当な評価を受けて給料が下がるような現象が起きている可能性が考えられます(あくまで推測です)
この結果を見ると、転職で給料が下がるかどうかはそこまで気にしなくても、頑張れば給料の高いところに入ることはできそうです。あとはどれだけ転職時に踏ん張れるかが勝負になるでしょう。ただ、踏ん張りすぎても働いてない間の給料がもらえなくなってしまい生涯年収が下がってしまうので、当然いい塩梅を探す必要があります。
まとめ
転職で給料が上がる人は45歳くらいまでは約30%ほどいることがわかり、転職で給料を上げるのはそこまで難しくなさそうです。
また、転職で年収をアップする方法をまとめると、以下3点が有効です。
- 面接時に、経歴・経験をまとめて、どういう問題に、どう対処して、どういう成果を出したか説明する。
- 資格を1つでも取得しておく。
- 前職の賃金は少し多めに申告する。